ジャーニーの、アメリカNo1を獲得した名盤『Escape』が発売から39年を迎えた。
1981年の7月にリリースされたエスケイプは、80年代ロックシーンを牽引したという。
スティーブ・ペリーを擁して4作目のスタジオアルバムでようやくのトップ獲得であるが、前作3作品もエスケイプに負けず劣らず素晴らしい。
そしてこのアルバムとしてのエスケイプは、完成品だと思う。
1曲目はあの『Don't stop believin'』。
登り調子の当時アメリカにも、いろんな階層の人々がいて、それでも諦めるなと歌い上げている。未だに歌い継がれる理由に、勇気が出るというのがあるだろう。
2曲目は『Stone in love』熱い若い恋を懐かしむ歌で、ニールのギターから始まる。強弱がハッキリしたノリ良しの曲。
3曲目は『Who's crying now』アルバムからのシングルカット第1弾。ジョナサンのピアノとニールのギターソロが泣かせる名曲。
4曲目は『Keep on runnin'』このアルバム全体に感じる疾走感はこの曲にある。
コーラスワークが素晴らしい名曲。
5曲目はA面を締めるバラードの『Still they ride』夜の街を流す主人公に、スティーブ・ペリーの思いが投影された佳曲。
スティーブの、録音マイクを凌駕する歌声の共鳴が聴ける。
6曲目がアルバムタイトルの『Escape』で、全てが名曲であるが為に目立たないがこれも佳曲。若さに溢れていて、何度も聴きたくなる曲だ。
7曲目は『Lay it down』スティーブ・ペリーの高音が素晴らしい。曲はノリもよくてライブ向き。
8曲目は『Dead or alive』これまたライブ向きの曲で、この勢いでアルバム終盤まで突っ走る。
9曲目は『Mother, Father』今までにない曲を作ってみた・とスティーブ・ペリーが解説している。家族愛に一際の思い入れがあるペリーならではの歌詞に心を打たれる。
ラストの高音は、一聴すると楽器に聴こえるが紛れもなくペリーの歌声だ。
10曲目『Open arms』言わずと知れたジャーニーのバラード名曲。説明の必要もないほど、CMやドラマで使用されている。
元々はジョナサンが、ベイビーズ時代に書き起こしてあった曲を、ペリーに合わせて彼とアレンジをしたとのこと。
このアルバムの成功には、次の理由があると思う。
ちょうど最高の声になったスティーブ・ペリーから湧き出る透明度と、ジョナサンによる楽曲の親しみやすさ、ピアノアレンジの聴きやすさ、ニールの抑え目ギターソロ、よく響くロスのベースにシンプルかつエナジーなスミスのドラム。
全てが見事に作用して獲りえた全米No1であっただろう。
900万枚を売り上げた、アルバム。
ジャーニーの、代表アルバムと呼ばれるに相応しい。今夜はエスケイプを聴きながら寝ようと思う。
スティーブ・ペリーの声は、本当に心地よい。